セルフビルドの自然食品店「Abyssinia / アビシニア」
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TweetAMBESSA&CO / Abyssinia
[ HP ]
〒299-2521
千葉県南房総市白子671
木・金 15:00 - 18:00
土・祝 12:00 - 18:00
日 - 水 CLOSED
[ フード ]
文と写真 トシ★細井
on 2018.11.08
キーワード :
- おみやげ,
- オーガニック,
- 食料品店,
- サステナブル,
南極スペースに滞在して「さぁ東京におみやげ買って帰ろう」というあなたにオススメしたいお店。ドライフルーツやナッツ類、ブラウニーなど、自然食品を丁寧に取り揃えているオーガニック・グロサリーです。
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おみやげはそれだけではないんです。そこで買い物をすると、じわじわっと無形のいろんなものを持って帰っているのです、知らぬうちに。あとからいろいろ気づくことになるのです。
南極スペースより東へ車で20分。館山市街からバイパスを越えて、のどかな田園をゆっくり進み、里山をくぐり抜けて外房の海に辿り着く。その少し手前に、オーナー自らセルフビルドで作り上げたお店が見えています。
エントランスで靴を脱いで揃えて、足裏に感じる無垢材の柔らかさ。整然と並べられたガラスジャーに反射する海の光。跳ね上げ窓の木製の留め具。土壁に等間隔で埋め込まれた木片やボトルの底。夜な夜な削りだしたであろう継ぎ木。手探りで、行きつ戻りつしながら、着工から完成まで気がつけば3年が経っていたそうです。店内には、建築過程でオーナーが過ごしたであろう逡巡や決断に包み込まれるような実感があります。
「Abyssinia / アビシニア」。聞き慣れないその単語は古代言語アムハラ語で「エチオピア王国」という意味だそうです。このお店を運営するオーガニックフード専門のブランド「AMBESSA & CO / アンベッサ」もアムハラ語「ライオン」を意味しているそうです。(※キミシー注 スペルを変えています)オーナーである君島氏にその名を冠したわけを問うと「僕の人生に多大な影響を与えたエチオピアとラスタファリズムですね」と答えてくれました。加えて、奥様、2人のご子息のファーストネームの頭文字も加えた「FIVE A(5ツ星)」についても教えてくれました。
取り扱う商品は保存料や添加物のないオーガニックなドライフルーツ、ナッツ、スパイス、ブラウニー。シングルオリジンのエチオピアコーヒーも取り扱っています。先日ドライフルーツの詰め合わせとブラウニーをいただきましたが、美味しかったなぁ。しみじみと思い出しました。
キミシーのお店はゴミ排出ゼロを目指していて、そういった思想、哲学にも触れることになります。自宅に持ち帰って、食べて、美味しくて。翌朝からまたいつもの生活が始まる中で、ちょっとした違和感の萌芽に気づくことになります。
私の場合は・・翌日、新宿の「DEAN & DELUCA」で「(プラスチックの)ナイフとフォークはご入り用ですか」と言われて(前回もらったの洗ってたもんね〜)と断ったときに、「あ、そもそも、もらわない方が良いのか」とか。「お手ふきも」とか。混雑する新宿のコンビニでビニルを断って布エコバッグを取り出したときの自分のザワザワ感とか。
これは「Abyssinia / アビシニア」で新しいモノサシをもらって帰っていたんだなと思うのです。新しいモノサシとこれまでの日常。ここでユルユルといつもの自分に戻ってゆくのか、そうならないかのせめぎ合い。海外旅行先で開放的な空気に触れ、積極的に発言していた自分が、日本に戻るとだんだん鈍化してゆくアレに似ています。そんな時はまた改めて「Abyssinia / アビシニア」を訪問するか、または思想の強化、自主練が必要ですね。
瞳の美しいキミシーに今の自分を作ったオススメの書籍を3冊教えていただきました。
「僕はあまり本を読まなくて、同じ本を読み返しています。生活のバイブル的な本ですが、「自然農・栽培の手引き」(監修:川口由一 著書:鏡山悦子) 、「100万円の家づくり」(小笠原昌憲)、シンクロバイブス(著書:KEITA)ですネ。」
そう答えてくれました。私はまだ読んでいませんがいずれ読みたいです。最後にオーナー キミシーの開業の言葉を引用いたします。